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じゅねさんの子育てマニュアル54.忘れていませんか?まずは基本的な考え方2005/8/24(水) 午後 5:01
人は、一つの命としてお母さんのお腹の中に着床してから、お母さんの胎内で、文字通り母子一体の安心感の中で育ちます。5ヶ月を過ぎると耳ができて、外の音も聞こえるようです。つまり、お母さんの声やまわりの音が入ってくるわけです。お母さんが不安になれば赤ちゃんも不安になります。いらいらしていれば、赤ちゃんもストレスがたまります。この胎児期にお父さん、お母さん、またまわりの環境が皆仲良く穏やかであれば、赤ちゃんは安定して育ちますが、夫婦仲や嫁姑の仲など、人間関係が良くない環境であれば、当然赤ちゃんにも影響が出ます。
もし、あなたがお腹の中にいるとして、お父さんとお母さんが喧嘩ばかりして、お母さんが、「この子さえいなければ別れられるのに」「この子ができたばっかりに・・・」などという思いを抱いているのがわかったら、あなたはどんな気持ちだと思いますか? 「何とか私を産んでちょうだい」「生まれたら良い子にするから産んでちょうだい」「私はいない方がいいのかも」 そんな気持ちになりませんか?
実は、成人以降になってから突然発症する鬱病なども、この胎内期、乳幼児期に「自分なんか存在しない方がいい」というメッセージを受け取っていることが根っこにあるとも言われています。もちろん、私が見てきた中にも明らかにそういう原因が見られる人が本当に数多くいました。
簡単に言えば、おぎゃーとこの世に生まれて、0歳児の時には、100%親の保護が必要です。何から何まで手取り足取り、胎児の延長です。そしてゆっくりと親の手を離れ、10歳を過ぎる頃になると、親が一緒に買い物に行こうと誘っても、嫌だなどと言い始めます。いろいろ問題を起こす14歳頃は、大人になることについての葛藤を味わいます。それから社会へと旅立ち、仕事をして、やがて年を取り、自分で身の回りのことをすることが難しくなってきます。
そうです。自分では何もできない、まさに0歳の赤ん坊状態に戻っていくわけです。突然の死を迎えるのではないかぎり、多少なりとも誰かのお世話になって、誰もが元の世界に裸一貫で戻っていきます。
脳の発達ですが、3歳までというのは、脳の配線は、起こったことを受動的にまったく逆らわずに設計されていきます。これは違うのではないか、ちょっと待てよ、ということなく、ただただ自分の身に起こった通りに配線されます。三つ子の魂百までもです。そして、この配線は、決して修正されることはないのだそうです。
生まれてから3歳頃までの間は、子どもの脳細胞は示された配線図どおりに、なにひとつ文句をいわないでからみあっていくのです。この場合の配線のお手本になる配線図というのは、赤ん坊にしょっちゅう接している母親や兄弟や保母さんたちであり、さらにまた、赤ん坊がおかれている生活環境です。・・・生まれて半年もたたない赤ん坊をそばへおいて、はなばなしい夫婦げんかをしているかたがよくあります。赤ん坊に何がわかるかと、いとも軽い気持ちでやっておられるのでしょう。赤ん坊には、パパが無理をいっているとか、ママに理があるとかいったようなことはわかりませんが、おとなになるとああいうぐあいにするものだという配線ができてしまうのです。母親が赤ん坊の前で、ちょっとつまみぐいをしますと、おとなになるとつまみぐいをしなければならないのだなという配線が、ちゃんとできるのです。『脳と保育』時実利彦著 より
つまり、子どもは自分が育てられた環境を覚えているということです。そういう意味からも世代間連鎖がおこっているわけです。だから、自分が弱って動けなくなったとき、自分が子育てをしたのと同じような方法で、子どもは親を見てくれるということになります。
怒鳴って育てれば、寝たきりになった自分が罵倒されるかも知れません。叩いて育てれば、粗相をしたな!と、殴られるかも知れません。いつも「忙しいからちょっと待ってね」と言って育てれば、子どもは同じように接するでしょうし、「俺は家族のために働いているんだ、文句言うな!」といって家庭を顧みなかった寝たきりお父さんは、子どもから「誰が養っていると思っているんだ。家に置いてやってるだけでも有り難く思え!」という言葉を受けるかも知れません。
子育ての基本は、自分が子供だったら、もしくは、年を取って寝たきりになったら、やってほしくないことをしないことかもしれません。甘やかすこととは違いますよ。
まずは、子育てを、「良い悪い」という基準で考えないことです。「これだけのことをしてやった」「この子のために一生懸命やった」親の気持ちは、子どもの受け取り方によっては、逆の結果になるかも知れません。
子育ては(人生すべてですが)、「やったこと」の「結果」が、起こってくるだけのことです。
子育てを考える時、せっかくの機会です。自分の人生を振り返ってみましょう。自分と親との関係。特に母親。または母親代わりだった人。
子育てのためのノウハウ本は、たくさんの人が書いています。どれもそれなりに意味があり、それを読むだけで問題が解決してしまう人もいるでしょう。でも、もし、「そうは書いてあるけれど、私にはできない」「理屈はわかるけど、絶対にできない」人は、自分の親との間の問題が解決していないと言えます。その問題が解決したとき、不思議なくらい、子どもとの問題も解決に向かっているはずです。
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