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じゅねさんの子育てマニュアル 

 

48.「早期教育」と「闇教育」                         

2005/6/21(火) 午後 6:26

 

今朝の讀賣新聞の記事、教育ルネサンスNo.100には気が重くなった。低年齢から教育して欲しいという親の要望に応えようとする幼稚園や保育園のことが書かれていた。
 親は子どもに何を望むのだろう。1歳からの保育園で、「きちんと座ること」「一定時間、先生の話を聞くこと」を徹底し、「保育園入園当初は5分と座っていられない子も、幼稚園入園までには、20分は先生の話を聞けるようになるという」


 

 この年齢の子供たちにこういうことを学ばせるということは、この時期伸ばすべき、また、習得しておくべき事を引き替えに手放してしまうことになるのではないだろうか。臨界期というのもある。この時期に獲得できない大切なものを後から取り返すのはできない、もしくは至難の業であるというのに。
 「きちんと座ったり」「先生の話を聞けるようになる」などということは、就学年齢を過ぎる頃にはできるようになるはずである。脳の働きから見ても、世界各国で就学年齢、字の読み書きを始める年齢がほぼ同じ頃にあるというのは意味がある。


 

 人は誰も一人一人その優れているところが違い、ましてや子ども時代は個人差が激しい。そもそも一定のレベルを全員に課すということに無理があるのだし、どの教科もすべて平均的にできないと落ちこぼれるというのは、誰にとってもかなりなプレッシャーだと思う。


 

 最近読んでいる本の中に、『闇教育』という言葉が出てくる。別に闇で教育をするわけではない。少し引用してみようと思う。


 

 『二歳か三歳になるかならずのうちに行われなければならぬもう一つの大切な教育は、両親および上長に対する絶対の服従と、なんでも子どもらしく一生懸命やり、不満を持たないことの習得である。・・・両親に服従することに慣れている子どもは、両親の下を離れ自立した後も、理性の法と規則に服することを喜ぶものであるが、それはその人間が、自分の意志に従っては行動しないということに慣れているからである。服従は重要である。本来教育の目的は挙げて服従の習得にあると言ってよい。・・・魂が自分の意志を持とうとするのはまったく自然のことで、したがって生後二年の間にうまくやってしまわなければ、その後からではとても目的を達することはできない。この生後すぐの時期は、力や強制を自由に使えるという点でも大変都合のよい時期なのである。子どもたちは成長するに従い自分が赤ん坊だったころにあったことを忘れてしまう。であるからその時期に子どもから意志を奪ってしまえば、その子どもはその後自分にも意志があったことなど決して思い出さないし、その際手厳しいやり方をしても決して後に悪影響を残したりしない。・・・・

 
 ・・・'''子どもが大きくなると、小さいときにあったことをみな忘れてしまうというのはまさにその通りです。「したがって自分に意志があったことを二度と思い出さない」というのも、間違いありません。但しここから先の文章は残念ながら間違っています。その時手厳しいことをしても子供たちに悪影響が及ぶことはないという部分は。
事実はまったく逆です。法律家、政治家、精神科医、医者そして監獄の看守は、いわばその悪影響のおかげで仕事をして一生食べているようなものですから'''・・・』
 
そしてまた筆者は書いています。

 
『子どもを教育すればその子は教育を学ぶのです。子どもに道徳のお説教をすればその子は道徳を説教することを学びますし、戒めれば戒めることを学びます。子どもをののしれば子どもはののしることを学び、嘲り笑えば嘲笑することを学びます。子どもを傷つければ子どもは人を傷つけることを学び、子どもの魂を殺してしまえば、子どもも殺すことを学ぶのです。そうなったとき子どもにはただ殺す対象に関して選択の余地が残されるだけです。自分を殺すか、他人を殺すか、それとも両方か。
 『魂の殺人−親は子どもに何をしたか』アリス・ミラー著 新曜社 


 

翻訳本だし、かなり読みにくい本なので、もし親子関係に興味を持たれた初心者の方は、まず、アリス・ミラーの前著『才能ある子のドラマ』新曜社 をお読みになった方がいいかと思います。参考図書などは、このコラム説明文の中にあるHPの参考図書に載せてありますし、徐々にご紹介していきたいと思います。


 

 私も、ですが、グループとして、私たちはこういった問題に取り組んでいます。私の周りには、親からのある種の刷り込みから抜けられずに苦しむ人が多くいます。悲劇なのは、親は決して子どもを不幸にしようとしてそうしたわけではなく、幸せにしたいと思って結果が不幸になってしまったということです。そして、その親たちもまた、自分の親から渡された負の遺産をしっかりと受けとめ、そして、可愛いわが子に渡してしまった結果に過ぎません。そして、その子達もまた、気づかなければその負の遺産を、わが子に渡さずにはいられないのです。

 

  

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