「私」に気づく基礎講座
10.解消されていない「怒り」に気づく
2005/11/7(月) 午後 4:07
まったっく健康的な親子関係を結べた方がこのコラムを読まれる時は、そういうこともあるのだ、と軽く流して下さいね。
私の場合、親子の関係に問題がありました。それでも随分それを見つめて、自分の中の親に対する「怒り」を解放してきたのだけれど、まだまだ全部が解放されると言うことはありません。
特に母に対してはそうです。母に「かけがえのない存在だ」と思ってもらえなかった、「私はたいした存在でなかった」などということが丸見えになったら恐いからです。恐くて、死んでしまいそうだからです。ですから、未だにこの問題は、オブラートで包み込むように、少しずつ、少しずつ、確認しながら見ています。
ただ、確かに、あの幼いころは、それを見たら生きていけなかったでしょう。でも、大人になった今は、そのことが見えたとしても、死ぬことはないのだと思います。
仕方のないことなのだけど、「育てて頂いた親に文句をいうなんて罰当たり」ということを、私たちの社会ではすり込まれていることが多いし、「産んでやっただけでもありがたく思え!感謝しろ!」と言われて「当然だ」と思わされた人もたくさんいることでしょう。
大きな声で、「私は親に怒りを感じています」とか、「私は親を恨んでいます」などといえば、「何と恐ろしいことを言う子なんだ」ということになってしまいがちです。 子どもは、どうしてできるんでしょう?子どもが、生まれてくるために無理矢理親を妊娠させたのでしょうか?
ばかげたことを書いていると思われるかもしれませんが、結構、自分が生まれてきたことすら、自分がいけなかったかのように思いこんでいる人はたくさんいるようです。
だから、親に対する怒りを、きちんと表現できない人はとても多いのです。たいていは、それをしたくないために、「親が悪いわけではない」「親にも事情があったのだ」と、最初からきれい事ですませよう、つまり「許してしまおう」とします。 でも、そんなにコトは簡単にはいかないのです。許しは必要であるけれど、その前に、きちんと自分の親に向く怒りを処理することが大切になります。
それができていないと、その刃が突然他のだれかに向くことがあります。向けられた方はとまどうことも多いでしょう。そこまで相手に何かした覚えもないのに、その刃の背後に潜む感情に、大変な憎悪を感じ取れるからです。なぜそこまでの事が起こるのでしょう。それは、その人が、親に対する怒りを処理できておらず、それを無意識下に閉じこめてしまうので、普段はそんなことには気づかないのだけれど、誰か親に似た人、親の考えに近い人、または、自分の味方だと思ったのに、自分の考えていることとは違っていた場合などに、親に向くべき矛先が、その相手に向かってしまうのです。
もともと人間は、相手の悪口を言う時、その90%は自分のことを言っているのだといいます。同じように、相手がどうにも気に入らない、許せない、受け入れられないという時、それは、ほとんどが自分の中にある許せないことを相手に投影しているといえるでしょう。そして、許せない根源は、親との関係に鍵があることが大変多いのです。
だから、どうにも気に入らない、許せない、受け入れられない、という人や物事がいたりあったりしたら、是非立ち止まって、何が受け入れられないのか、考えてみる時間を持ってみてはいかがでしょうか。 自問自答しているうちに、意外な答えが見つかることもありますよ。

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