エリート回復者からのメッセージ
1.子育てが苦しいお母さんたちへ
2005/6/29(水) 午後 5:41
私は、被虐待児でした。肉体的にも多少はありましたが、特に精神的な虐待が主でした。 相当なコントローラー(支配者)だった父と、それを容認し、私をかばうことすらしなかった母の元で、私は数多くの禁止令という鎖に縛られ、身動きが取れないほど追いつめられていきました。
28歳にしてようやっとそのことに気づいて人生の総点検、修正をしてきた私にとって、「子どもを育てる」というのは、ほぼ100%「親にされたのと同じように虐待する」ことを意味しているのはよくわかっていました。
子どもなんて好きじゃありませんでした。確かに、自分の子どもが欲しいとは思ってきました。ずっと寂しい思いをして育ち、自分の家族が欲しかったから。
本当は、それは恐らく、無意識のうちにも、自分と同じ目に遭わせるために・・・。 でも、あんなにわがままで私をいらいらさせる生き物を、私がまともに育てられるのか、まったく自信はありませんでした。
7年前に長女を授かりました。それなりに可愛いと思いました。夫は再婚で、別に3人の子どもがいます。前の結婚では、夫婦逆転のような部分があり、子煩悩な夫が3人の子供たちを育てたといってもよかったのです。訳のわからない生き物を前に途方に暮れる私を、夫はかなりカバーしてくれました。
夫は当時、鬱っぽくなってしまい、あまり働くこともできませんでした。
周りから祝福されぬ結婚だったので、夫の親族、私の家族とも絶縁状態のまま、経済的には相当苦しかったのです、それが一番大事な「子育て」には必要だったのだと思います。
夫が、精神的には全面的に支えてくれたお陰で、私は育児ノイローゼになることもなく、育児を放棄したいという気も起きませんでした。
育児における(特に子どもが小さい場合は)、父親の役目は、妻を支えることだと言われます。私も心底そう思います。 霊長類である人類は、本来集団の中で子育てをする種だそうです。
戦前は、日本は世界一子育ての上手な国とまで言われたと本で読みまし。そして、それによると、人間の場合は、子育ては学習によるものだといいます。最初の子の子育ては下手でも、数多く育てるうちに上手になっていく。そして最初の子育ての時は、ベテランさんが、「ちょっと貸してご覧なさい。こうするのよ」と指導してくれる。それがだんだんと子どもが増えていくうちに役目が交代し、子育て上手になるのだそうです。
それでも、やはり最初のこと末っ子はうまく育てられないことが多々あったらしいので、そう言う意味では、一人っ子を上手に育てるなどというのは至難の業だろうと思います。
カウンセラーからは当時、「今のうちは大丈夫でしょう。勝負は3歳以降ですね。あなたのお父さんは、親に逆らうことを許さなかったのだから」と言われました。
なるほど、そういうことね。
その後は必死で勉強しました。家族問題の本を読み、ワークショップに参加したり、独身の頃、いろいろと講座を聞きにいったりしてきたことの復習をしたりもしました。とにかくわが子に悲劇を繰り返すまい。それだけを考えていました。
本を読んだり、話を聞いたりして「わかった」というのは、頭で理解しただけのことです。それは単に知識として覚えただけであり、行動や生活が変わるわけではありません。現代は、どうしても知識偏重で、頭でっかちが多いのだと思いますが、でも、それでは問題は解決していきません。
本当に何かに気づかされたとき、それは大きな衝撃を伴います。しばし身動き取れないほどのこともあるくらいに。
頭の中を引っかき回されるような、何かが自分の中でぐるぐると回っているような、そんなこともあります。
重要な気づきがあると、周りの見え方がまるっきり変わったりもします。涙が止めどもなく溢れるかも知れません。 人によって感じ方は違うでしょうが、そのくらいの感動が起こるはずです。
私の下の妹は幼いときの病気が元で知的な障害をもちました。家族問題に関わったのお陰で、乳幼児期からの不適切な子育てによる弊害も数多く見たし、中には、そうそうたる学歴や肩書きを持つ人が、30歳を過ぎて働けなくなったり、閉じこもったりするなどの話も多く聞きました。
本当に子育てに必要なこととは何なのでしょう。
私は自分の育児に自信がなかったし、この私を育てた母だということを考えれば、母もまったくあてになりませんでした。幸い、民間の社会教育の団体に所属するようになって、子育てや人付き合いなどの指導も細かくしてもらえました。年配の方々にかわいがられ、子供たちはとても大人を信頼する子に育ちました。はっきりいって、私は子どもたちに何もしてあげなかったような気がします。勝手に良い子に育ってくれた。いや、多くの方に育てて頂いたのかな。そんな感じでです。 そんな中から虐待問題・世代間連鎖の問題に取り組むことになり、私の中のコントロールする親からはだいぶ解放されたと思います。
私はかなり重症な部類に入るらしいです。それでもここまで来られたのです。ですから、誰もあきらめる必要はないと思うのです。 地道ではありますが、こうした問題解決に関わっている仲間がこれから全国に広がっていくでしょう。「世代間連鎖を断つ」。最近はこのキーワードも時折目にするようになりました。 できるだけ連携をとって、輪を広げていきたいと思っています。

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